夏休み小説チャレンジ、4冊目は原田マハさんの『本日は、お日柄もよく』を読みました。
大学院のM1(1年生)の時に、大学院の仲間に新潟の美術館でやっていた「草間彌生展」に誘われて行ったことがあるんです。
その時僕含めて4人ぐらいで行ったと思うのですが、行きの車の話題が小説の話になりました。
「○○さんの小説は・・・」「□□という作品は・・・」
そんな話が繰り広げられていたのですが、僕はその会話に全くついていくことができませんでした。
小説を読みだした最近そんな会話の事を思い出し、そこに出てきた小説の中で唯一覚えていたものがこの原田マハさんの『本日は、お日柄もよく』でした。
恋人が先輩から頂いていたにもかかわらず、ブックオフで買ってしまいましたが・・・
この小説を要約すると
冴えない20代後半のOLが、幼馴染の結婚式で出会った伝説のスピーチライターとの出会いをきっかけにそのスピーチライターに弟子入りする。その後、解散総選挙で政権交代を叫ぶ野党に出馬した幼馴染をスピーチライターとしてサポートする主人公とその仲間たちのお仕事小説。
って感じです。野党に出馬。日本語がしっくりこない、、、。誰か出馬の使い方教えて、、、
この小説の主人公は、特に仕事内容も厳しくない、定時で帰れる、退勤後には遊びに行ける仲のいい友達もいる、給料もそこそこいいといった特に不自由ない生活をしていました。しかし、スピーチライターという職業に猛烈に惹かれ、そこで日々奮闘する主人公の姿にはほんとうに感動ししました。
スピーチライターとして人々をサポートするお仕事に関する物語が主軸なんですが、所々で出てくる恋愛場面とかそういった所もこの小説の面白い要素の一つでした。
また、この小説では言葉の大切さを再確認しました。
解散総選挙での街頭演説のスピーチが出てくることがあるんですが、言葉ひとつでこんなにも人が動いたり感動したり、涙したりと、本当に言葉の持つ力って大きいんだなと。
どんな言葉をいうのか大切ですが、その言葉にどれほどの心がこもっているのか、言葉の持ち主がどんな人なのか、そういった所も大事なんですね。
僕も教員という、子どもに多くの言葉を使う仕事をしていますが、その言葉一つ一つに心がこもっているのか、自分がその言葉を伝えられるような人間であるのか、その言葉をまっすぐ誠実に届けることができているか、そのようなことを考えました。
今はそれをできていると自負しています。『学び合い』でも「大切なのは心である」ということも言われていますし、僕自身もそう考え、子どもに常に心を込めて言葉を伝えています。
これが2年目、3年目になって教員という仕事に慣れたとき、まだ自分の心に力を込められているか。それは教員として生き残っていくために、多くの子どもの人生を幸せなものにするためにも大切なことです。
そのことを思い出すためにも、この小説は定期的に読んでいきたいなと思いました。