松坂大輔さんという、僕が一番最初に憧れたプロ野球の投手がいます。
最近のプロ野球では、分業制というのが普通になっていて、だいたいピッチャーの球数が100球を越えると故障を防いだりする意味もあって交代することが多いです。
しかし、松坂大輔さんは1試合で球数が150を越えることも少なくありませんでした。
なぜここまでの球数を投げられるかという話があったのですが、松坂さんは「抜きどころを知っている」と言っていました。
150球全てを全力で投げているわけではなくて、打者の力量とか試合の流れとかを見ながら力の入れ具合を変えているそうです。
それだけ投げられるスタミナがあるということももちろんあると思いますが、その要領のよさが松坂さんの肩を支えていたようです。
これは野球のピッチャーだけに当てはまる話ではないと思っていて、仕事をしたり、学校生活を過ごす上でも大切な考え方だと思っています。
教員としては、子どもの前に立つときはいつでも全力でいたいというのが本音ですが、保護者対応とか生徒対応、授業がうまく行かなかったときなどいろんな意味で疲れることが多い職業なので、なかなかずっと全力でというのも難しい。
大事なのは、押さえるところは押さえるということ。
誰かを攻撃する発言には敏感に反応しないといけないし、クラスの雰囲気がふわっとなってしまっているときは渇をいれたりもしないといけない。
その押さえるところというのは人によっては違うとは思いますが、逆に「力を入れなくていいところ」を知っておくのも教員として生き残っていくためには必要かなと思います。
松坂さんはきっと、「力の入れどころ」ではなくて「力の抜きどころ」が大事だと言っていました。
全力投球すべき時に全力で投げるためにも、力を抜けるところは抜きながら働いていきたいなと思います。