『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』を読み終えました。
先日、途中まで読んで書いたブログを書きました。
コンピュータにできる事は数学でできる事(論理・確率・統計)でしかなく、AIに対して命令したり動作に意味をつけたりするのは結局人間だという話をしました。
そして第3章以降は、やはりそんな時代でAIに勝てる人材はどのくらいいるのか?という話になりました。
Society3.0時代から教育は「言う事を聞かせる」「ルールを守らせる」といった事をしてきました。その時代はAIのような夢の道具はありませんでしたし、大量生産ができれば街は栄えました。だから、いう事を忠実に聞く、正確に行える人材が必要だったんです。
まぁその時代の日本が愛国主義であったりとかそういう背景もあったと思いますが、歴史は僕の苦手な分野なもので、、、。勉強しないと、、、。
そこで登場したのがAIです。
単純な作業であれば人間よりコンピュータの方がはるかに能力があります。数式をうてば多少複雑なモノでも「=」を押せば一瞬で正確に計算してくれますし、記憶という事に関しても最近は1TBを超える容量のPCも自宅に置けるようになりました。
人間の命令に忠実に、素早く対応してくれるのがAIです。
AIは東大に合格できるのか?というプロジェクトで開発されたのが「東ロボくん」です。残念ながら東ロボくんは東大には合格できなかったそうですが、MARCHや関関同立には合格することができたそうです。
逆に言えば、MARCHや関関同立レベルの事までAIはできるようになっている、つまりそのぐらいのレベルの仕事ならAIが代替できてしまうという事です。
そんな中で、AIに勝てるような人材を育てる事ができているのでしょうか?この本によると、残念ながらほとんどそれができていないのが現状だそうです。
東ロボくんの苦手分野とされているのが国語や英語、特に文章読解やグラフの読み取りだそうです。なぜなら、AIは記憶や計算は得意なのですが、文章やグラフの意味を理解することは苦手だからです。その文章を書いた人が伝えたい微妙なニュアンスを読み取るなんてことAIにはできません。
そこが人間にとってチャンスなんですが、まさかの人間の苦手なところもそこだそうです。なんせタイトルの通り、「教科書が読めない」んです。
詳しくは本を読んでほしいのですが
Q.以下の2つの文章の意味が同じか異なっているかを答えなさい。
といった問題でさえも、正解率は約56%だそうです。コイントスよりちょっと確率が高いぐらいです。
残念ながら、筆者の新井さんが言う"読解力"を上げる方法はまだ科学的に証明されていないそうなのですが、危機的な状況だという事が分かると思います。AIが苦手としている分野ができないということは、仕事を取られることを指をくわえてみているしかないという事です。
高校受験や大学受験に備えて問題を淡々とこなすことも必要かもしれませんが、子どもにもっともっと言語を積極的に使わせる教育が必要なのかもしれません。
こういった事も踏まえて、指導要領の改訂では「言語教育の充実」と強調されているんですかね。