明日の自分へ

高校教員です。朝か夕方に、ほぼ毎日なにか書きます。

必死VS本気

高校の時の野球部のコーチに、こんなことを教えてもらったことがあります。

 

[必死と本気の違い]

 

・必死:何も考えずにがむしゃらにやる事

・本気:わからなくなったら立ち止まり、考えたり誰かに聞いたりしながら努力する事

 

必死と本気、どちらが効果的かは言うまでもありませんよね。

 

人間は、考えることができる動物です。もちろん、他の動物も考えたり学習したりすることができるのですが、人間は考えることによって象やライオンを押しのけて生態ピラミッドの頂点に立っているのです。

 

今を生きる人間ももちろん考えることは必須です。人間界に突如として現れた「AI」に打ち勝つには考えたり人間同士で協力したりすることは必要不可欠です。

 

すなわち、必死よりも本気の生き方が必要なわけです。

 

僕が学生時代にやっていたのは、「必死」の方だったなと振り返る事ができます。努力は必ず報われる。誰よりもバットを振れば必ず結果は出る。とにかく誰よりも練習しよう。

 

その結果、結果を残すことはできませんでした。何が悪いのか、どうしたらいいのかを考えながら練習していれば、もっといい結果は残せただろうに。

 

 

僕が指導する子どもたちにはそんな風になってほしくない。勉強でも、部活でも、これから生き抜く社会でも。

 

じゃあどうすればそんな、考える子どもを育てることができるのでしょうか?そのカギは「質問する」という事にあると思います。

 

「なんで〇〇をしてるの?」と質問をすれば、その質問をされた人はその〇〇をやっている理由を考えます。答えられなかったとしたら、それは本気ではなく必死でやっていたという事です。

 

例えば、毎日毎日一生懸命素振りをしている子どもがいたとします。その子に対して「なんで素振りしてるん?」と聞きます。多分、最初は「うまくなりたいから」「打てるようになりたいから」と言うでしょう。練習してうまくなりたいことは前提であって、それは素振りをしている理由にはなっていません。まだまだ考えることができていない「必死」の状態です。

 

その子が「バットを振る筋肉をつけたいから」「自分のスイングを固めて継続して一定の結果を出したいから」と答えることができたなら、それは「本気」の状態です。

 

僕は、この「本気」である状態というのを子どもに実感してほしい。だから、「○○をやりなさい」という指導ではなく、「なんで〇〇をしてるん?」という質問を多く行い、考えて行動するという事がどういうことなのかという事を学べるような指導をしたいです。

 

僕がする質問が、子ども通しでできるようになれば、最高ですよね。