今日はこの本です。
『学び合い』を実践するにおいて、課題は割と大切です。
自分が出す課題によって、子どもたちがどう動くかっていうのは結構変わります。
また、課題の出し方によっては、集団が自分の思っている方向に動いてくれない場合があります。
先日の保健の授業で
「望まない妊娠を防ぐ方法を、3つ以上答えなさい」
という課題を出しました。
範囲的には、性衝動とかも一緒に扱っている所なので、「今子どもを産んで大丈夫なのかなど、将来の事を考える」とか、「相手と合意を行ったうえで子作りをする」とかそういった回答を求めていました。
しかし、彼らは「コンドームを正しく使う」とか「ピルを飲む」とか、そういった物理的な方法を書いていました。
完全に僕の課題の出し方が悪かったなと反省しました。
このように、課題の出し方によって自分が求めている結果とは違う方向に子どもが向かってしまう事があります。
だから、課題は割と考えて作らないといけません。
課題を作るときに大切なのは、「余計な言葉は削り、できるだけシンプルに作ること」。
そのための方法として、「学習指導要領を基に課題を作る」といった事が有効です。
僕もやってしまいがちなのですが、多くの先生方は学習指導要領ではなく教科書や指導書を参考に課題を作ったりしています。
ただ、意外と学習指導要領で求められている物って少なく、教科書はそこに枝葉をつけまくってあの容量になっています。
自分が最低限教えなければいけないことを学習指導要領で把握してから、削れるだけ削って課題をできるだけシンプルなものにするのがいいんだなと思いました。
また、シンプルな課題にすると、より多くの子どもに適する課題になります。
「○○を全員が達成する」というのは『学び合い』に置いて定番の課題の形ですが、この「全員が達成する」という課題は、苦手な子にとってはもちろん自分が達成しないと行けないし、得意な子にとっては自分以外の誰かの課題の達成を支援しないといけない。
誰かの課題を支援するという行為は、教えることによって自分んも復習になったり、分からない子の視点にで課題について考え直すことができますので教える側にとってもメリットがあります。
もちろん、「全員達成」のためには課題の支援以外にもできることがたくさんあります。
そうやって、子ども同士が互いに協働し合ってチームとして取り組めるような課題を作れば、教育の目標である「人格の完成」にぐっと近づけることができるのではないでしょうか?