「教師と生徒の信頼関係は別に重要ではないよ」
西川先生に言われた衝撃の一言のうちの一つです。
僕は、教師と生徒の信頼関係について非常に興味がありありました。
僕は、中学生当時の担任の先生のことをメチャクチャ信頼していて、その先生のおかげで僕自身が成長できたと思っています。
その先生への憧れもあり、現在教員になったという事もあります。
教師と生徒の信頼関係があれば、教育はうまくいくと思っていました。
大学院に入学し、「なんでもできる」と「『学び合い』」が売りの西川研究室に入り、自分が研究したいことを見つける過程でも、もちろん教師と生徒の信頼関係について研究しようと思いました。
そこで、教師と生徒の信頼関係ついてのことを西川先生に質問すると、「教師と生徒の信頼関係は別に重要ではないよ」と言われました。
いや、そんな事ないでしょ、、、。
信頼関係について、大学院同じコースの先生である赤坂先生にお聞きすると、信頼関係についてたくさん教えてくださいました。
その赤坂先生にお聞きしたことを踏まえて西川先生に質問して、論破されてまた赤坂先生に質問して・・・
という事を繰り返した結果、西川先生がおっしゃりたかったことが段々見えてきました。
「教師と生徒の信頼関係よりもむしろ生徒同士がつながっている事が大切で、そこに教師が介入すると生徒同士の関係作りを阻害してしまう可能性があるよ」
きっと、西川先生はそうおっしゃりたかったんじゃないかなとその時僕は結論を出しました。
確かに、教師と生徒に信頼関係ができているに越したことはありません。
ただ、生徒一人一人との信頼関係というパイプの太さを均等にすることはほぼ不可能です。
生徒とか教師とか関係なく、人間には合う・合わないがあるんですから。
そんななかで、合う生徒とはパイプをどんどん太くしていく。
一方で、そうでない子のパイプが太くなることは無い。
そうすると、パイプの太さの違いがどんどん大きくなっていきます。
その結果、生徒一人一人との信頼関係に差が出てしまい、いわゆる「お気に入り」が露骨に出てしまったり、教師の信頼関係を取り合うために生徒同士が争ってしまう。
そして、生徒間のつながりがどんどん切れてしまう。
これはよくありませんよね。
そうではなくて、生徒一人一人とはできるだけ均等なパイプを持っておく。
個人ではなく、集団全体とパイプをつなげておくイメージですかね?
関わり方の基準としては、生徒全員に提供できることはやるけど、そうでない事はやらない。
僕らがやるべきことは、生徒と信頼関係を結ぶことではなくて、生徒同士で関わりを作る事のサポートをする事だと思います。
このことを心掛けながら半年ちょっとやってみましたが、今のところいい感じに生徒と信頼関係を結べているのではないかなと思います。