現場に入って7ヶ月、つまり『学び合い』を初めて7ヶ月になります。
今のところ結構上手くいっています。
子どもたちも、自由に活動できる授業に対して、満足しているという回答をする生徒が多いです。
さて、そうやって手ごたえを感じ始めたぐらいで、きっと自分自身に慢心が出てきます。
その慢心というのは子どもにも伝わってしまうもので、そうなればどんどん『学び合い』は破滅の方向に向かっていきます。
そうならないためにも、最近は『学び合い』関係の本を読み直しています。
本には、『学び合い』が成功するようなテクニックとか、理由とかを解説しているのですが、それを誰かに説明できるようになるにはなぜそうなるのか、というところまで説明できないといけません。
そこで、『学び合い』に関する研究論文もちょっとずつ読んでいこうかなとおもいました。
特に
・なぜ『学び合い』で学力は向上するのか
・なぜ『学び合い』で気になる子の行動が改善するのか
の2つをちゃんと説明できるようになりたいなと考えています。
だから、まずは学力向上に関して、
・市川さんらの「小学校算数科における自由な相互作用と学力向上に関する研究」
・水落先生らの「学習者の相互作用を中心としたメディア活用の授業に関する事例的研究ー相互作用のプロセスの解明と教師の役割の検討ー」
気になる子に関して、
・杵淵さんらの「「学び合い」に入れない子と教師の役割に関する一考察」
・三崎先生らの「理科授業における「気になる子」の『学び合い』の授業による変容に関する事例的研究」
・佐々木さんらの「授業内における「気になる子」への手立てに関する研究ー『学び合い』実践者と非実践者の比較を通してー」
を読んでみました。
大学院に行ってなければこんな研究論文を読もうって発想になってなかったやろうな。
そもそも『学び合い』にも出会ってないし、、、
さて、まずは学力の向上に関してです。
市川さんらの論文では、
「学習者の相互作用が活性化すると、学力が向上する事が明らかになった。その理由は、一人一人の疑問に対応しかつタイミングのよいアドバイス行われていたためである」
と結論付けています。
西川先生の本に出てくる7の段のかけ算の例は、この論文に出てくるものですね。
水落先生らの論文では、PC操作についての実践で教師が直接的な指導を控え、学習者同士を結びつけるなど環境を整備する発言をいとてきに行うことで、学習者同士で情報収集を行うようになったと結論付けています。
また、「教師がレッスン的に指導することなしでも、学習者がPCを利用できるようになることは可能であることが事例的に明らかになった」
とも述べられています。
これらを踏まえると、学習者同士が相互に作用すれば学力が向上し、それを活性化させるためには教師は直接アドバイスをするのではなくて、学習者同士を結びつけたりするような学習環境を構築する必要があるという事になります。
経験ベースの論ではなく、こういったエビデンスに基づいて論を組み立てて実践することで自分が実践するときの自信にもなりますし、質問されたときにもちゃんと答えることができます。
実践して成功しても満足することなく、これからもこうやっていろんな資料を読んでいきたいなと思います。