今日も、最近読んでいる本の紹介です。
入学者数が2万人に迫っている広域通信制の最大手N高等学校の書籍です。
N高等学校とは、出版やメディア事業をメインとするKADOKAWAと、ニコニコ動画等を運営しているドワンゴが経営統合をして、学校法人角川ドワンゴ学園として運営している学校です。本校は沖縄県にあり、その後N中等部や、本校をつくば市に構えるS高等学校を設立。VRを積極的に活用した「普通科プレミアムコース」も開設されました。
この学校の非常にいいなと思う事は、競争することを強いていないという事です。
どうしても既存の学校との比較になってしまうのですが、現在のほとんどの学校は、テストの点数や偏差値で学校内外の生徒と競わせています。その後、競争に勝った生徒はいい大学に進学し、そこで負けてしまった生徒は不登校になってしまうケースがあります。
スクールカーストが問題視されていますが、そもそもそこで学校側が大きな順位をつけてしまっているんですね。
N高等学校は、「最低限こなしていれば、あとは何をどのくらい頑張るのも自由だよ」といったスタイルです。
高卒認定を得るには、文部科学省が定めている基準をクリアしないといけません(74単位以上取るだとか、、、)。だから、最低限やらないといけない勉強もあります。
N高等学校は、この最低限の授業をネット授業という形で進めています。授業がある時間は生放送という形で授業が行われ、内容に関して生徒は自由にコメントをつけることができます。このあたりはニコニコ動画っぽいですよね。
そのコメントを見た先生は「あー、今のちょっと分かりづらかったか」とリアクションすることもありますし、他の生徒もコメントするのでみんなで勉強している感覚になるそうです。
もちろん、そこにコメントするもしないも自由ですし、あとから授業動画をオンデマンドで見て勉強することも可能だそうです。授業にリアルタイムで入るかとか、参加度を自分で調節とか、どの時間に勉強するかとか、全部自分で決められるんです。
生徒がやらないといけないのは、その授業動画をみて毎月課せられるレポートを期限内に提出するということ。それができればやり方は自由なんです。
授業以外の部活動や特別講義に参加するのも自由です。部活動に関しては同じ目的をもった仲間が集まるので、友達もすぐできるそうです。
こうして自分のやりたいことを自分の参加したいレベルで参加できるので、主体的に動く力が自然とつきますし、更に時間ややる事をほとんど拘束されていないので不登校やいじめもほとんどないと言います。
まぁ他にも素晴らしいところはたくさんあるのですが、長くなりそうなのでこの辺りにしておきますが、コロナウイルスの影響もありこういった高校の生徒数は爆増しています。
いつかこんな形の高校がスタンダートになるのではないか?そんな日が来るのもそう棟くないのでは?と思いました。