教員になってから初めての夏休みが終わろうとしています。夏休みとはいっても、お盆近くの9日間なので夏休みというよりはお盆休みと言った方がいいのでしょうか?
学生時代から僕の暇つぶしの仕方と言えば、友達と遊んだり飲んだりするかでした。しかし、大学院時代の友達もほとんどが県外に移動してしまっているため会う事はできませんし、そもそもこんな世の中なので遊びに行く事自体すら気が引けてしまいます。
そんな中、この連休で僕は小説に挑戦しました。
いままで僕は自己啓発書とかビジネス書とか教育書とか、自分の生活や仕事において「役に立ちそうなもの」という視点で本を読んでいました。だから、本から何かを学び取ろうと頭をフル回転させながら読んでいました。
ビジネス書・自己啓発書・教育書は、読むごとに自分の考え方や時間の使い方が変わっていき、自分のレベルが上がっていっているような感覚でした。読み終えるたびに自分の心の中で「タラララッタッタッタ~♪」とドラクエのあの効果音がなる感じ。特にアダム・グラントさんの『GIVR&TAKE』や『嫌われる勇気』などの本は、メタルキングを倒したような感覚でした。
そういった本を読み終えるごとに自分の成長に心地よさを感じる反面、やはりボスキャラのように難しい本があったり、難しい本にしては自分の中で学ぶことが少なかったなぁと手ごたえが無かったりするものもありました。
対して小説は何かを学び取るというイメージはなく、なんなら苦手分野でした。
映画で泣いた事もないし、小さい頃はシルクドソレイユのサーカスを見に行って寝ていたほど僕は芸術に対して興味がありませんでした。大学院生の時に一回挑戦してみようと、ゼミ生に小説を何冊か借りて読んでみたもの、最後まで読めず返してしまった事もありました。
ただ、一人でできる趣味というものも持っていなかったし、本というものは嫌いじゃなかったし、こうしてどうせ友達と会えないのなら一人でできる何かをしようと思って小説にもう一度挑戦してみようと思い、読んでみました。
この期間に読んだ小説は3冊。
小説というのは、読んでいるといつの間にか作者が僕に話しかけてくれていて、自分を違う世界に連れて行ってくれるんだなと思いました。ビジネス書とか自己啓発書も僕に話しかけてくれて入るんですが、それはどちらかと言うと教えてくれているという感じで。
角田光代さんの『さがしもの』にも書かれていたのですが、「開くだけでどこへでも連れてってくれる」、本当にそんな感じでした。
『金の角を持つ子どもたち』や『あめつちのうた』については先日書かせていただきましたが、今回読んだの『さがしもの』では、僕に本というものの魅力を教えてくれた、そんな本でした。きっと本が好きな人がこの『さがしもの』をよむと「あぁ~、わかる~!」って感じになるのかもしれませんが、、、。
今回の3冊はたまたま全て「ある人の日常を書いた物語」って感じの本だったんですが、気が向いたらもっとファンタジー系のものとか、ホラー系のものとか、推理系のものとかも読んでみようかなと思います。
休みが明けても小説は読んでいこうと思っていますが、気が向くまでは新しいジャンルよりも、『さがしもの』の言葉を借りるなら「本は人を呼ぶ」そうなので、本に耳を傾けてみて、呼ばれた気がしたらその本を買い、読んでいこうかなと思います。