明日の自分へ

高校教員です。朝か夕方に、ほぼ毎日なにか書きます。

学び方も、学ぶ内容ももっと選べるようになったらいいのに。

世の中には、色んな教育法が開発され、出回っています。

 

 

僕が実践している『学び合い』をはじめ、学習指導要領に示されているアクティブ・ラーニングだけでも発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習、グループディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等と非常にたくさん示されています。

 

 

また、「これも学校でやっといた方がいいよね???」ってことで、学ぶ内容も増えています。

 

 

学習指導要領が分厚くなっていることでもわかる教科の内容の増加や、最近では特別の教科道徳ってのとか、キャリアパスポートの作成ってのも追加されましたね。

 

 

 

 

色んな試行錯誤がされていることは、非常にいいことだと思います。

 

 

これが絶対正しいという方法とか教育なんてありませんし、どの教育内容が大切かも一人一人によって違います。

 

 

ただ、大切なのはそのことを教師が知っておく必要があるという事です。

 

 

 

教育方法に関しては、クラスでディベートを行えば、ある子は楽しく取り組むことができるし、ある子はできない。

 

ICTを使った授業でも、合う子・合わない子がいる。

 

グループワークでも、一斉授業でも、『学び合い』でも同様です。

 

 

 

教育内容に関しても、ある子は数学の内容を将来使うかもしれませんし、逆に結構多くの子は高度な数学の内容は必要ない。ひっ算だって大人になってからやりませんから。

 

 

全員が知っておいた方がいい事だってあります。

 

 

同和問題、SDG’s、応急手当、政治の仕組み、お金の流れetc・・・

 

 

人生なんて知っておいた方がいいものだらけなんです。

 

 

 

ただ、だからといって全部を覚える事なんてできません。

 

 

人間の脳には容量がありますし、時間も無限ではありません。

 

 

社会に出るまでの限られた時間の中で、彼らは自分の人生に必要な事を覚え、知っていかなければいけません。

 

 

覚えないといけない事のためには、知っておいた方がよい事を学ぶ時間を削る必要があります。

 

 

 

 

 

何が言いたいのかというと、もっと学ばないといけない事を削って、基礎的な事を学ぶべきじゃないんかなという事です。

 

 

もちろん、小学生、中学生に「将来自分にとって必要なものを選択して、学んでいきなさい」というのはなかなか酷な話だと思います。

 

 

だからといって、すべての内容を深く学ばせようとしすぎなんじゃないかなと思います。

 

 

 

僕は保健体育の教師なので保健体育のことで例を挙げます。

 

 

保健体育の目標は

「体育や保健の見方・考え方を働かせ,課題を発見し,合理的な解決に向け
た学習過程を通して,心と体を一体として捉え,生涯にわたって心身の健康
を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を次のとお
り育成することを目指す。」

 

と書かれていますが、ここで言いたいのは

①生涯にわたって心身の健康を保持増進する事

②豊かなスポーツライフを実現する事

 

の2つです。

 

学習指導要領保健体育編の解説では①が保健、②が体育の包括的な目標と書かれています。

 

 

つまり、人生を健康に生きるために自分なりにスポーツに関わったり健康の知識をつけていきましょうねってことなんですね、きっと。

 

あくまで僕の解釈なんで“きっと”ってつけときます。

 

 

そのために必要なのは、純粋に「スポーツって楽しいんだな」と感じることだと思うんです。

 

 

しかし、それ以上に「どうやったら速く泳げるようになるか」とか「どうやったらシュートのコントロールがよくなるか」とか「武道の伝統的な作法を覚えさせる事」とかを重視しています。

 

 

そういった活動を通してスポーツの魅力に気付くことができる子もいるとは思いますが、それは相対的にスポーツが得意な子の話であって、スポーツが苦手なこはそもそも運動したくないんです。

 

 

そんな子に「野球ってな、○○って魅力があって・・・」と話しても「ふーん」って言われて終わりですよね。

 

 

そんな深い知識よりも「みんなと一緒にスポーツするの、楽しいでしょ?」ぐらいの事を体感してもらう方がよっぽど"豊かなスポーツライフの実現"に近づくんじゃないかと僕は思います。

 

 

 

 

主要5教科についても同じことが言えます。

 

 

受験対策という所をとっても、難しい問題を解く力を数人つける授業よりも、基礎的な問題を全員ができるようになる授業の方がクラスの平均点はよっぽど上がると思います。

 

難しい問題を解く必要がある子は、自分で家でやったり塾に行ったりしますから。

 

 

 

 

 

"深い学び"という言葉が蔓延っていますが、もっともっと内容を削って基礎的な事を学べるようにして、その上で「"深い学び"が必要な子は自分でやってね。聞いてくれたら教えてあげるよ」ぐらいのスタンスの方がいいんじゃないかなと僕は思います。

 

 

部活で本気で野球をやってきた僕からすれば、「たかだか年間10回程度の授業でベースボール型の授業を深く学べると思うなよ!!!」が本音です。

 

 

 

先日友人と話をしたのですが、「歴史のことなんて知らなくても、自分今働けてるし生きてるし!!!」と言っていました。

 

 

多くの大人(先生も含む)が気付いているけど知らないふりをしている事です。

 

 

 

 

これらを踏まえて、学び方や学ぶ内容を、もっと子どもが選択できるようになったらいいのになぁと思います。

 

 

担任を選べたり、単位制みたいに選択授業が多い中学校なんてあったらいいのにな。

 

 

 

 

気付けば今日は2000字を超えるブログに。

 

そんだけ普段考えてることなんやろうな、、、。