『学び合い』の復習として、この本を読みました。
この本には“気になる子への”言葉がけ入門と書いてありますが、実際に気になる子にどのように声をかければいいかは書かれていません。
むしろ、「気になる子への言葉がけは意味ないよ」と書かれてあります。
「この本を読めばあの子の対応が分かるんじゃ・・・!」と期待されてこの本を買った方は拍子抜けですね・・・。
しかし、この「気になる子への言葉がけは意味がない」という事を理解することがまずはポイントだと思います。
気になる子にいくら先生が言葉がけをしても、その子が変わる可能性は低いです。
今まで歴代のその子の担任の先生が試行錯誤してその子に言葉がけをしてきた結果、変わっていないのですから、その子への言葉がけが悪いんじゃなくて、そもそもその子は先生という人種との相性が悪いんです。
だから、先生がいくら声掛けをしても変わりません。
じゃあどうやったら変えられるのか?
それは子ども同士だと思います。
みなさんも、「あいつのいう事は聞きたくないけど、こいつのいう事なら聞いた方がいいかな」と思う事ってあるのではないでしょうか?
今の職場でも、「あの上司のいう事は聞くのだるいけど、この先輩はいい人やから言う事聞いとこ」ってことあるんじゃないでしょうか?
それって子ども集団の中でも一緒で、人には相性というものがあります。
気になる子がいるなら、その気になる子と相性のいい子が言葉がけをすることでその子の気になる行動が改善する可能性は高くなります。
さっきの上司の例も踏まえると、少なくとも先生が言葉がけをするよりは改善する可能性が高いと思いませんか?
また、先生が注意してその子の行動が変化するのは1回限りである事が多いです。
「それを根気よく続けていけば・・・」という歴代の担任の先生が努力してきた結果が今なんです。
それは、その子への指導が対症療法にしかなっておらず、根本治療になっていない事を意味します。
中学校生活の中でその子が無事卒業してくれればいいというのは違いますよね?
学校は、その子が将来人間社会で生き残っていけるように成長を促す場所だと思っています。
先生がその子の人生にずっとついていくことはできません。
学校を卒業した後は、自分で生きのこっていかなければいけないんです。
「この行動をしたら集団から嫌われてしまう」という事に自分自身が気付かないといけないんです。
だから、対症療法ではなく、根本治療が必要なんです。
そのためには先生からの指導ではなく、仲間からの助言の方が彼らにとっては理解しやすい言葉で語り掛けてあげることができるのではないでしょうか?