教育の中で、叱る指導と褒める指導のどちらがいいかという話は結構出てくる話だと思います。
教員採用試験の面接でもよく聞かれる内容だと思います。
皆さんどちら派ですか?
僕はどちらかというと褒める指導派です。
あんまり叱っても、叱った側も叱られた側も、それを見ていた周りもいい思いしないと思いますので。
ただ、本当は褒めるのも、叱るのもあんまり良くないんですよねきっと。
褒めて動かすにしても、叱って動かすにしても、それは教師が生徒をコントロールしようとしているに過ぎません。
「これをしたら先生に怒られるからやめよう」
「これをしたら先生に褒められるからもっとやろう」
そうやって望ましくない行動が減ったり、望ましい行動が増えたりしたとしても、本人がそれをやっている理由は全て「先生からのフィードバック」です。
本当の意味でその行動がいい意味、悪い意味が分かっていないんです。
だから、先生がいなくなったら(つまり卒業したら)その子はそれができなくなってしまいます。
例えば、タブレットで友達の顔をアップで撮影して嫌がらせをしている生徒に対して「何してるんだ!!!」と叱るとします。
その生徒は先生に叱られるのが嫌だからその行動は確かに減っていきますが、それは先生がいない時に限ります。
先生がいなくなれば叱る人はいなくなるのでその行動は継続しますし、むしろ先生に見つからないところでもっと陰湿な方法でやるようになるかもしれません。
その子にとって必要なのは、その行動が自分にとって損だということを理解する事です。
本当の意味で理解することができれば、先生がいないところでも適切な行動が取れるようになります。
褒めるパターンでも一緒で、例えば挨拶ができた生徒に対して「お、挨拶できたやん、すごいやん!」って褒めたとします。
その彼は、先生に褒められるから挨拶という行動を増やすかもしれませんが、やがて褒めなくなるとまたその行動が消失してしまうこともあります。
彼にとって挨拶とは先生に褒められるための手段で、挨拶自体に価値を感じていない可能性があるからです。
いずれにせよ、行動そのものの意味を理解させる事が大切だと僕は考えています。
そのきっかけとして褒める、叱る指導はありだとは思いますが、その場合でも最終的に叱られるとか褒められるとかじゃなくて、行動することに対しての見返りを彼らが実感できるように褒める、叱る指導からフェードアウトしていく必要があると思います。
本人が自分で気付かないといけないので、褒める、叱る指導よりは時間がかかってしまいますし、指導する側が本当の意味での理由を説明できないといけないので粘り強く語っていく必要があります。
でも、それって本来の教師の仕事だと思いますので、僕も粘り強くやっていきます。