昨日の研修会で、
「数学を学ぶことによって、日常生活でも役立つ論理的思考力をを育てることが数学教育の第一義的意義で、評価うんぬんは二の次ですよ」
という事お話をお聞きしました。
「先生、なんで数学ってやるん?」って子どもから聞かれたときには、本来この論理的思考力について話をすべきなんだと思います。
なぜなら、こういった内容はは学習指導要領に書かれている事で、学習指導要領には法的な拘束力があるからです。
しかし、大学院のゼミの先生がよく
「我々の知識は文脈依存性があると認知心理学で知られている。つまり、数学で身に着けた論理的思考力は数学でしか使う事ができず、そのほかの状況になったときにはその論理的思考力が使えることはほとんどない」
と言っているのを思い出しました。
学習指導要領に書いてある事ってもっともらしいことがたくさん書いてあるのですが
エビデンス(科学的根拠)に基づいて作成されているかと言われるとそうではないという事が多いみたいです。
僕はたまたま大学院に進学していて、教育研究とはなんなのかっていう授業を受けたり
学校現場で実際に研究をやってみたりとか
そんな経験があるからこうやってエビデンスをベースにして考えることができるのですが
多くの人はそうではありません。
現場での教育の多くは「経験ベース」です。
そもそも、法的拘束力のある学習指導要領ですらエビデンスベースで作られていない事が多いみたいなので
そうなってしまうのも無理はありませんが。
もちろん、理論だけじゃいわゆる「机上の空論」と言われてしまうので
エビデンスを基に実践を行い、それについてもう一度考察してといった
理論と実践を往還するような活動を通して教育活動を行っていくべきなのかなと考えています。
もちろん、教育についての研究は、J-STAGEやCiNiiといったサイトでネット検索できるようになってますし
エビデンスをベースに書かれている教育本もたくさん出版されていますので
それを読んでみることから始めてみたらいいのかなと思います。
時代の流れもどんどん早くなっている世の中で、我々教員は経験ベースで一昔前の教育をするんじゃなくて、時代に沿った新しい教育を展開していかなければいけませよね。