佐藤航陽さんの『お金2.0』を読んでいます。
お金を稼ぎたいとかどうやってお金をためればいいかとかそういった話ではなく、お金や経済の流れを学ぶと、社会がどのように動いていくのかとか、社会でどのように生き残っていけばいいのかとかそういった事を学ぶことができます。
そういった意味では、ロボアドバイザーとかETFを活用した資産運用のような勝手にお金を動かしてくれるようなものよりも、余裕のある人は自分で株とかに投資した方が経済の流れとかを勉強せざるを得ない状況になるのでいいのかもしれませんね。
僕はそこまではめんどくさいのでやりませんが、、、。
さて、まだ半分ぐらいしか読んでいませんが、特に印象に残っているのは「経済は欲望のネットワーク」という言葉です。成長が著しい企業は、人間の欲望を上手に満たし続けています。
経済を持続的かつ自動的に発展していく経済システムには
①インセンティブ(報酬が明確)
②リアルタイム
③不確実性
⑤コミュニケーション
の5つがあるそうです。
特に、不確実性について印象に残りました。
現代は先が不透明な不確実な世の中で人間は不安になりがちですが、むしろ不確実で想像力を働かせるような仕組みのものは人間を意欲的にするそうです。
考えてみれば、結果が分かっている映画とかは面白くありませんし、自分がこれからどうなるかという事がすでに目に見えてしまっている人生もなんだかやるせなくなってしまいます。
逆に、結果が終わってみるまで分からない、試合中に何が起こるか分からないスポーツは不確実性という人間の欲求を満たしているため、人々はオリンピック等のスポーツに熱狂するのでしょう。なるほどと納得しました。
5つの経済システムをうまく組み合わせて経営している企業の1つとしてスタバが当てはまるんじゃないかなと思います。
顧客側としては、スターバックスカードで買い物をするとStarが溜まって無料のチケットになる(報酬が明確)、季節ごとに新しいドリンクが出る(リアルタイム)、一杯のコーヒーから人々に交流の場を与えるといった企業理念(コミュニケーション)など。
店員側からしても、成績に合わせてshort→tall→grandeと自分のレベルが上がっていくような仕組みや毎年1回のテストに合格することによってもらえるブラックエプロンという証(ヒエラルキー)、それによる時給の変動(インセンティブ)、店員同士をパートナーと呼び合いつながりを強める仕組み(コミュニケーション)など。
顧客側の欲求も店員側の欲求もうまく満たしているんですね。
これを受けて教員として僕が一番問題だなと思うのは、やはり報酬が不明確だという事だと思います。
確かに立場によって給料は変わるし(ヒエラルキー)、教員ほどリアルタイムで不確実な仕事は無いのではないでしょうか?
しかし、どれだけ頑張っても結局給与は一緒。まぁ報酬はお金以外のものでもいいとは思うのですが、年功序列で勝手に給料が上がっていく仕組みは教員のやる気を削ぐ原因ではないのかなと思います。
とはいえ、じゃあどうやって教員の評価をするのかと言われれば、そこは思いつかないんですけどね。
また、生徒には人間の欲求を満たせるような人になってもらう必要がある事を再認識しました。さっきの5つを子どもに説明するわけではありませんが、「あの子はいま何に困っているのか」とか「あの子に今○○をしてあげたら喜びそうだな」とかそういった事を考えられるような子は、社会に出ても通用すると思います。
経済とかお金の流れとか、僕はまだまだ知識が不足していますので極限まで分かりやすく書いているこの本を読んでもまだ理解しきれないところがたくさんあります。しかし、公務員という安泰と言われている職に就いたことで胡坐をかいて座っているだけではいずれ痛い目を見るんだなという事を学びました。