村上市の総合型地域スポーツクラブ「NPO法人希楽々」さんにインタビューに行ってきました。
そこには僕が理想とする総合型地域スポーツクラブの形がありました。
本当に行って良かった。
今回は僕が特に印象に残ったところを記事にしていきたいと思います。
村上市の地域の小学生、特に女子は地域でミニバスをやっていたのですが、中学校に上がると部活動としてバスケ部がない。
そんな子どものために地域でサークルとしてバスケを始めたのが始まりだそうです。
平成25年度から28年度には、部活動に準ずる活動として地域の学校に認められ新しいカタチの部活動として活動しているそうです。
部活動に準ずる活動として認められたため、学校外で活動をしていますが、名前は地域の学校の名前を使えるため全中への出場も認められているそうです。
活動は、学校が終わった後の放課後に行っているそうです。
「移動ってどうやってやってるの???」
という質問が来そうですが、クラブが所有しているバスで学校までお迎えに行って、帰りは家族に迎えに来てもらうという形になっているそうです。
このバスは設立当時に頂いたtoto助成金で購入したそうです。
キモは、学校の“中”でバスに乗れること。
行きかえりでトラブルが起これば責任の所在があいまいになってしまいますが、バスに乗るまでは学校の責任、バスに乗った瞬間クラブの責任ともうはっきり分けているそうです。
しかし、希楽々の方はあくまで地域と部活動の”融合”という言葉を強調されていました。
「え、完全に委託するんじゃないの?」
でも、技術指導は学校の先生はやりません。
じゃあ、学校の先生がクラブの方にどうやって関与しているかと言うと、運営協議会と言うものが行われるそうなのですが、そこに学校の方も参加していただき、子どもの課題を共有する。
そして、学校で解決すべき課題、地域で解決すべき課題と、子どもの課題の分配をしっかりと行って、子どもを育てていくという事でした。
まさに地域と学校の融合ですよね。
クラブの指導は完全にクラブの方がしています。
正社員として働いている方が15名いて(指定管理でお金をもらっているそうです)、あとはパートさんとか、合わせて約30名ほどで指導しているそうです。
「どこからそんなお金が湧いてくるの???」
最初は会費や事業収入、補助金がほとんどでしたが、「それだけじゃ足りない」と積極的に委託業務を行い、資金の確保を行っているそうです。
市からお金をもらうだけじゃだめ、そう考えて自ら努力してお金を調達していたんですね。
これからは自主財源をもっともっと増やしていこうという方針だそうです。
中でもやはり印象的だったのが
多様なスポーツの啓発
という事です。
先日僕もブログで書きますが、競技思考でスポーツがしたい人もいれば、ただ楽しみたい人もいる。
希楽々さん独自の地域の学校での実態調査及び意向調査によると、部活やクラブに入っている目的の1位が「うまくなりたい、記録を伸ばしたい(約20%)」で、2位はなんと「活動を楽しみたい(約15%)」だったそうです。
にも関わらず現状の部活動は全部が全中を目指している。
だから、近くの中学校、スポ少と協力して、地域に存在するクラブや部活動を一覧にしたものを作成し、「中学校には、こんな多様なスポーツの空間が待っている!!」と子どもに選択肢を与えるような取り組みをしていました。
多様なの中には、目的、さらに種目も含まれています。
更に、希楽々さんはスポーツだけにとどまらず、地域のイオンと連携して高齢者をバスでイオンに送迎し、買い物を行ったり、イオン内で運動プログラムを行ったりしたそうです。
体育館で運動というと高齢者はハードルが高いそうで、それがショッピングついでにってなるとはりきって運動してくれるそうです。
「その買い物の日はおばあちゃんがはりきっておしゃれしてくるんですよ!」と、笑顔で話をしてくださいました。
子どもの放課後の居場所づくりも行っているそうで、どうせ来てもらうならスポーツを楽しむ機会にしてもらおうと様々な取り組みを行っていました。
小さいこどもから高齢者まで、たくさんの方々の拠点であり、繋がりの場であるということも強調してお話ししてくださいました。
小さいころから1つの競技しかしてこなかった人の多くは、スポーツに対して辛い、苦しい思い出を持っている方も多いかもしれませんが、小さいころから多様なスポーツを楽しく行う事で、生涯スポーツにつながることも狙いだそうです。
これからやろうとしていることとして、やっぱり放課後スポーツを教えに来てくれる人が欲しいと、一般企業の方に来ていただくことを狙っているそうです。
どういうことかと言うと、16時~18時まで一般企業の方に来ていただいて、スポーツを指導していただく。
そしてその時間は地域貢献活動として、企業にその人の勤務時間として認めてもらおうという事だそうです。
そのためにも、まずは市の職員に来ていただいて、市としてやっているなら自分の会社も、、、という流れて人を派遣してもらうような制度を整えたいそうです。
行政も有効に使っているんですね!
自分にはそんな発想は全くなかったな、、、
他にもこれから本格的に融合型部活動として認めてもらうために、融合型部活動で指導するための研修プログラムを作成して受けた方にはライセンスを付与するといった活動の検討、融合型部活動を就職先として世間に周知されるような財源の確保の方法など、本当にたくさんの活動をされていました。
話していただいた方の中でも最も印象的な言葉が
「誰のためにやってんの?子どものためでしょ!」
あんな取組がもっと全国に広まればいいのに。
つい、「本とか書かないんですか?」とか言っちゃった。(笑)
話を聞きながら、こんな活動を全国に広げるのが自分の役割なんだと感じました。
最近読んだもしドラの中にも、「翻訳者」という言葉が出てきました。
僕がクラブの翻訳者になって、全国に広げよう。
あ、僕がじゃないな。
僕らで翻訳者になろうな、けんちゃん。