明日の自分へ

高校教員です。朝か夕方に、ほぼ毎日なにか書きます。

総合型地域スポーツクラブで部活動をよりよりものへ!

みなさん、総合型地域スポーツクラブってご存知ですか?

 

総合型地域スポーツクラブとは、スポーツ庁によると

総合型地域スポーツクラブは、人々が、身近な地域でスポ-ツに親しむことのできる新しいタイプのスポーツクラブで、子供から高齢者まで(多世代)、様々なスポーツを愛好する人々が(多種目)、初心者からトップレベルまで、それぞれの志向・レベルに合わせて参加できる(多志向)、という特徴を持ち、地域住民により自主的・主体的に運営されるスポーツクラブです。

 

 

です。

 

 

意外とこの総合型地域スポーツクラブ(以下地域クラブ)は身近にあったりするのですが、あまり認知されていないようです。

 

神戸市だけでも地域クラブは163もあるそうです。

 

 

 

僕は、この地域クラブと学校が連携・委託することを狙っています。

 

その理由は様々ですが、大きくは

 

 

①部活動をよりよいものにしたい

②教員の働き方改革に貢献したい

③地域のつながりを作りたい

 

 

の3つです。

 

まず、①から行きましょう。

 

 

 

 

①部活動をよりよいものにしたい

 

 

最近部活動は様々な問題を抱えています。

 

体罰、勝利至上主義、少子化による廃部、教員の多忙、、、

 

このままでは部活動は立ち行かなくなってしまいます。

 

 

そこで目を付けたのが外部との連携、もしくは委託です。

 

そもそも、部活動に入る理由も「本気で競技がしたい」「楽しくスポーツがしたい」「子どもを預かってほしい」「部活で人間育成がしたい」「友達を作りたい」とちょっと、考えただけでもこれだけ理由が出てきます。

 

部活動に入る理由は多様なのに、学校によって部活動の目的が違っている上に、選択肢がないのは子どもにとって窮屈だと思います。

 

「友達作りたいだけなら、何の競技でもええやん」というのはもちろん投げやりすぎます。

 

 

子どもの目的によって入るクラブが選べる環境というのは、理想の状態ではないでしょうか?

 

 

現行の部活動では1択です。

 

 

子どもの可能性を広げてあげるためにも、選択肢を与えてあげることは必要じゃないでしょうか?

 

 

そうすれば、体罰を0にするまではまだ届かないかもしれませんが、減らすことはできると思いますし、勝利至上主義に関しても「楽しみたい!」と入ってくる会員にそのような指導をする必要はありません(「勝ちたい!」という目的での勝利至上主義は問題ないはずです)。

 

部活動の統廃合に関しても、地域で集まることができれば統廃合してその場しのぎの部活動にする必要はありません。

 

 

部活動を持続可能なものにするためにも、地域クラブとの連携は有効ではないでしょうか?

 

 

 

②教員の働き方改革に貢献したい

 

 

働き方改革で、一目散にターゲットにされるのはこの部活動です。

 

多くの方が部活動の負担を叫んでいますし、大学院の仲間からも「たかしのやってることほんまに進んでほしい」と切実に願われることもありました。

 

 

でも、僕は部活動が好きですし、部活動がしたくて教員になった人もいます。

 

部活動がなくなるのは寂しい、、、

 

そう思うかもしれませんが

 

部活動を指導したい人は、その時間に地域クラブの指導に入ればいいのです。

 

 

それでもやっぱり「部活はその競技をすることが目的ではなくて、人間的に成長するために入るところだ!」と言う人もいます。

 

もちろんその通りです。

 

神戸市が平成30年5月に出した「神戸市立中・義務教育学校部活動ガイドライン」では

 

●部活動の意義・目的
部活動は、心身の成長が著しい生徒が自らの興味や関心等を深く追及し、それぞれの個性や能力を主体的な取組によって伸長したり、学年や学級の枠を超えて、仲間と切磋琢磨しながら、励ましたり協力したりする中で、社会性や人間性を育むという人間形成に資するものである。

 

と書かれています。

 

僕も、実際に部活動によって人間的に成長できました。

 

 

でも、本来部活動をやりたくない先生が部活動の顧問をしているのは健全な状態ではないと思うんです。

 

上のガイドラインに「主体的に」って書いてあるのに、それを見ている先生が主体的じゃないのってどうなんやろか、、、

 

 

逆に、部活動にばかり力を入れて、先生の本来の業務である教科教育や学級経営がおろそかになっている人もいるかもしれません。

 

そんなことは言語道断です。

 

 

また、このガイドラインで気付いてほしいのが、部活動はむしろ競技力向上や体力の向上に全く触れていないという事です。

 

だから勝利至上主義になってしまう部活動(公立に限る)は、本来の部活動の趣旨からずれています。

 

 

 

僕は、上のガイドラインのようなクラブがあってもいいと思うんです。

 

①で選択肢のことを挙げましたが、先生も「こんな指導がしたい」があると思います。

 

多様なクラブがあって、「こんな指導がしたい」という先生のニーズとあっているところで指導することが出来れば、より気持ちよく指導ができるのではないでしょうか?

 

 

自分が指導したいところで指導ができ、また指導したくない人は指導しなくていい。

 

本来あるべき状態ではないでしょうか?

 

 

 

③地域のつながりを作りたい

 

 

「地域に開かれた学校」とか、「チーム学校」とか言われていますが、学校てまだまだ閉鎖的な組織な気がします。

 

「現場に出てない若造が何ほざいてんねん」と思う方がいましたら、誤ります。すみません、その通りです。

 

でも、やはり現場に入っていないからこそそのようなことも見えると思います。

 

 

学校同士の交流もやはり少ないですよね。

 

つながりを作ることって大切やとおもうんですが、学校がまだまだ開かれていないことが原因かまだまだ学校のなかだけでのつながりな気がします。

 

はたしてそれでいいのでしょうか?

 

 

そこで目を付けたのが地域クラブです。

 

 

スポーツ庁は、地域クラブを

 

我が国における総合型地域スポーツクラブは、平成7年度から育成が開始され、平成29年7月には、創設準備中を含め3,580クラブが育成され、それぞれの地域において、スポーツの振興やスポーツを通じた地域づくりなどに向けた多様な活動を展開し、地域スポーツの担い手としての役割や地域コミュニティの核としての役割を果たしています。

 

と説明しています。

 

地域クラブはスポーツ庁も認める地域コミュニティを作り上げるための原石なのです!

 

 

地域クラブは同じ学校だけでなく地域のいろんな学校の子どもが集まることはもちろん、多様なスポーツをしている子どもが集まる、そして同じ年代の子どもだけでなく小学生・中学生・高校生はもちろん地域のおじいちゃんおばあちゃんが通うエアロビクス教室とかもあります。

 

そうやって、地域の人々が顔見知りになることでたくさんのつながりができることはもちろん、大人が子どもを知っている状態というのは地域の防犯性を高めることが出来ます。

 

ということは、学校の先生がわざわざ下校指導とかをしなくてもいい。

 

②にもつながりますよね。

 

 

何より、同じ学校だけじゃなくて、多様な学校、多様な年代の人々がつながり合う地域ってめちゃくちゃ温かくて素敵な街だと思いませんか?

 

 

自分も小・中と学校外のクラブに所属していましたが、そのおかげで同じ学校以外にもたくさんの仲間ができました。

 

学校だけじゃなく、学校外の地域でもこどもはつながる必要があると思います。

 

 

 

○まとめ

 

いかがでしたか?

 

地域クラブとの連携・委託は、学校の負担を軽くすることができるどころか部活動をよりよいものに進化させ、さらに地域も活性化させることができます。

 

また、地域クラブ側も、学校との連携・委託は会員数が増えて、より活発に活動することができます。

 

でも、現状ではなかなかこれが進んでいません。

 

沢山の方々にインタビューをさせていただいていますが、課題として挙げられるのが

 

・部活動は学校がやることというのが当たり前になってしまっている

・まだまだ地域クラブが少ない

・そもそも地域クラブを知らない

・施設が無い(部活動から移行すれば学校の施設を使えばいいと思う)

・地域クラブに所属する子どもが学校であれているケースが多い

・地域クラブでは勝利至上主義や競技力の向上に重きが置かれていると思われている。

 

 

などたくさんあります。

 

みなさんは、部活動についてどのように考えていますか?

 

部活動で苦しんでいる人、部活動で苦しんでいるこどもだけではなく、部活がやりたい人、スポーツがしたい人など全員が救われるようにこれからもこの活動は続けていきます。

 

 

また、「もう既にやってるよ!」とか、「やりたいんだけど、、、」と言う方がいましたら、ご連絡いただけると嬉しいです。